世田谷区は2012年4月13日(金)~15日(日)に明大前、千歳烏山に駅前広場を作る都市計画案の説明会を開催しました。
説明会の質疑内容及びその評価は下記の通りです。
世田谷区の情報非開示の姿勢や、最初に結論ありきで言い含めることしか念頭にない不誠実な姿勢が、手に取るように分かります。
施肥ご一読の上、このような世田谷区の姿勢を問いただしましょう。
No. | 住民質問 | 行政回答 | 評 価 |
【全般】 | |||
1 | 都の現行都市計画は4線高架であり、2線高架2線地下は変更案だ。まだ決定もしていない変更案を前提にした駅広案は、案に対する案だから「違法」ではないか | 違法とは言えない(五十嵐) |
・合法とは答えられず。 ・駅広案の公告・縦覧及び説明会の開催により、沿線住民の多くが京王線高架化が決まったと誤解した恐れがあり、合法違法は関係なく、極めて不適切である。 |
2 | 高架前提の計画案はおかしい。なぜ高架前提案を進めるのか。 | 現在東京都は2線高架2線地下案を出している。それが最適と都は判断している。それに基づき区も計画した。 | 連立事業の構造形式に関しては都の言いなりで、住民に最も近い基礎自治体としての区の意思が全くない。 |
3 | なぜ東京都の連立計画決定前に駅前広場を決めるのか。 | 駅前広場で立ち退く人の生活再建を考慮した。 |
・40年以上前から鉄道、道路の都市計画によって私権を制限してきて、「今さら何をか言わんや」の行政都合の一方的な説明 ・生活再建を考慮するのであれば、立ち退きが最も少ない、鉄道の地下化による上部利用が最適のはずである。 |
4 | 連立計画の建設費用積算が黒塗りのまま進めるのはなぜか。おかしいではないか。 |
・事業費については都が適切に比較検討した結果と判断している。 ・情報開示については、保坂区長になってから都に求めた経緯があり、その後も引続き都に情報開示を求めている。 |
・連立事業については、予算を含めて都の言いなり。 ・引続き情報開示を求めていると言っているが、都の要請で駅広説明会を実施している現状から、具体的な請求行動を起こしているとは思えない。 |
5 | 区民(明大前駅周辺地区街づくり協議会と京王線地下化の会有志)と保坂区長、板垣副区長面談(2012年4月9日)に於いて「なぜ都の連立計画決定前に駅前広場を決めるのか」の質問に対し、区長は「東京都から急げと言われた」と答えている。この事実を認めるか。 |
・千歳烏山1回目説明会:「言っていない」と回答(五十嵐) ・千歳烏山2回目説明会にて再質問:「確かに面談時に言った。しかし、その意味は云々」と五十嵐氏の解釈を説明。 |
4月9日の面談時に保坂区長は「東京都から急いでほしいとの話があり、駅前広場の説明がこのタイミングになった。住民参画をやるべきだったが申し訳ない」と発言している。 |
6 | 保坂区長に投票した1票を返せという声が昨日あった。失望して保坂氏には絶対投票しないと言う人も身近にいる。この声を保坂区長に伝えるか伝えないか。 | 説明会でそのような声があったことは区長に伝える。 | |
7 | 2線高架に特急、急行も含めた在来線をすべてあげる。明大前、桜上水、千歳烏山の駅は退避のため4線にする。特急、急行待ちの退避だらけで、全然便利にならない。なぜ4線地下で利便性をあげないのか。 | 東京都が適切と判断した。 |
・区の見解を示していない。 ・明大前、千歳烏山が2面4線化することにより、つつじヶ丘、八幡山、桜上水、笹塚含め、1駅ごとに退避線駅ができるという、極めてまれな鉄道が生まれる。これでは新宿に近づくほど時間距離が遠くなる。 ・地下線増線は京王電鉄が造るが、取締役会、株主総会で承認も無く、需要の見通しに懐疑的な記事もあり、造らない事も十分予想される。 |
8 | 連立・道路・駅広は三位一体の計画なのだから説明も纏めて行え。 | 三位一体の計画だが、連立は東京都の事業。 | 三位一体を世田谷区が認めた事をここに明記しておく。 |
9 | 明大前駅前広場計画案について、4月13日、15日の説明会で質問者が会場の参加者にむかって、区案の賛成者はいるか聞いたが、賛成者はだれもいなかった。この計画をやめさせる方法を教えてほしい。 | 開かずの踏切解消は緊急な問題であり、この計画を進めている。止める考えは持っていない。 |
・地下化で開かずの踏切早期解消を言っているのに、(地下化は)開かずの踏切解消反対を言っているかのごとく誤解させようとしている。 ・止めさせる方法については答えず。(両日とも参加者が「この説明会参加者の中で賛成の方は手を挙げて下さい」と呼びかけ、誰も手を挙げていないことから、賛成者はいないか、仮にいたとしても少数と思われる) |
10 |
都市計画法16条及び世田谷区都市計画公聴会規則第2条に定める公聴会が開催されないのは何故か。 これだけ異論のある都市計画案なのだから、当然公聴会を開催すべきではないか。 |
世田谷区としては、権利者や商店街の方の意見を聴き、また意見書も募る手続きを進めている。 |
・世田谷区規則で、公聴会の必要性の有無は区長が決めることになっており、区長が必要性なしと判断した理由が示されていない。 ・世田谷区都市計画審議会でも、委員から異論が出ている都市計画案であり、審議会委員に住民の生の声を届ける場である公聴会を開催すべきである。 |
【街づくり協議会の扱い】 | |||
11 |
明大前街づくり協議会を無視するのか。わずか延12回、出席者68人しかいなかった地権者、商店街との懇談会をなぜ重視するのか。今後どちらと話をしていくのか。 |
無視はしていない。上位計画に沿って駅広計画を作り、地区街づくりは街づくり協議会の提案も盛り込んでいく。街づくり協議会は条例に基づき、建築時の緑の確保等、役割が決まっており、今般多岐にわたり提案を頂いたが、今後関係部署と調整していく云々。 |
・まちづくり条例を持ち出し、街づくり協議会の機能を極めて狭い範囲に限定しようとしている。条例制定時の「住民参加」の意図など、その条例制定に至った精神を全く無視。 ・世田谷区が2009年11月及び2010年2月に発行した「街づくり通信」では、街づくり協議会の意見を聴いて駅前広場計画を作成していく旨、明確に記されているが、その公式見解は完全に反故にされている。 |
【駅前広場懇談会と議事録について】 | |||
12 | 23年9月~11月 明大前の駅広懇談会は何名参加したのか | 地権者、商店会300名に案内。合計12回で述べ60名強参加。 |
・1回平均なんと5名!のみの参加。 ・街づくり協議会を無視している ・多くの住民が駅を利用しているが、その駅利用者の声が入っていない。 |
13 | 千歳烏山は何名で駅広懇談会を行ったのか | 地権者、商店街で90名。 | 同上 |
14 | 駅広懇談会の議事録は有るのか。今回の説明会の議事録はとるのか。 | ある。今回も記録する。情 | 区が自ら進んで公開すべき情報である。 |
【駅前広場懇談会と議事録について】 | |||
15 | 明大前駅広建設費用、補助214号線の道路建設費用はいくらか | 現段階の費用で算出したが、今後土地の価格の変化などで変わることもある。今は示せない。 | 数案を比較検討したのであれば、当然その根拠を開示すべきであり、それがなければ住民の理解は得られない。 |
16 | 千歳烏山の駅広はいくら建設 | 同上 | 素案の説明会では、百数十億という数字が区から発せられたのであるから、今回開示できない理由がない。 |
17 | 216号も含め駅広に税金はいく | 同上 | 事業的条件で4案が一番安いと言ったのにその根拠を示さないのはおかしい。 |
【洪水ハザード地区への駅広設置】 | |||
18 | 洪水ハザード地区になぜ駅広を造るのか。計画地は傾斜地でもあり、地形的条件を何故加えないのか? | 治水工事をする。 | 洪水対策はすべてこれからとの回答であり、区民の命・安全・安心を無視している。 |
19 | 洪水ハザード地区に駅広を造るのは問題あり。地下に貯水槽を造ると言うが、雨水対策の事業費はいくらであり、それは事業的条件(費用)の中に入っているのか。 | 今後適切に検討する。今の駅広比較費用には入っていない。どのようなものになるのか、いくらになるのかについてはこれから検討する。 |
方法も費用も未定。 「当該地区が地理的条件、事業的条件において優れている」とのスライド説明は事実を正しく反映しておらず、不適切。 |
【補助154号線、補助216号線の必要性、危険性、環境悪影響について】 | |||
20 |
明大前駅前広場は補助154号線建設が前提となっている。 バスを通すと言うが明大前地域は公共交通不便地域ではない。なぜ、バスロータリーが必要なのか |
確かに明大前地域は公共交通不便地域ではない。しかし高齢者の足としてバスは必要 | 中央線(吉祥寺)へは電車で10分、小田急線(下北沢)へは電車で3分というように明大前はバス不要地域である。高齢者にバスが本当に必要ならば既存道路にミニバスを走らす方が良い。 |
21 | 明大前街づくり協議会のアンケート調査(平成19年11月実施。回答587人)では154号線の整備については「交通量が増えて、騒音、大気、安全性について不安」の回答が多かった。154号線の必要性については疑問が多い。必要なは梅ヶ丘中学校に徒歩で通学すのか。明大前地域の中学生る。梅ヶ丘は徒歩圏内ではないか | ・154号線は都市整備方針において地域生活拠点を南北に結ぶ道路として位置づけられている。 | 世田谷区の現在の都市整備方針は、3年後の平成27年に改定予定となっている。少子高齢化の急速な進展と車減少社会に直面し、沿道の環境悪化をもたらすことが明らかな幹線道路の必要性の説明には説得力がない。 |
・154号線は地域の利益の観点から必要である |
・地域のための道路にはならない。なぜなら、環7、環8の唯一の裏道、抜け道となり、東名高速、第3京浜から首都高速4号線までの広域通過交通道路となりはてる。さらに東西道である目黒通り、駒沢通り246号線、世田谷通りからの車の流入もあり、2025年には開通したとすると1日34,000台の交通量予測を東京都は出している ・松原小学校の児童の危険が増大する。154号線は松原小学校の横をかすめ、学区を縦に分断する道路である。児童の登下校や生活全般の危険が増大する。世田谷区交通街づくり基本計画によるともともと世田谷区は23区で人口当たりの交通量が一番多い区である。住宅街には車を入れない工夫をするのがこれからの交通政策ではないか。 |
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・道路は災害時の遮断帯となるので整備が必要だ | 大地震が起きると車は左側に寄せて止める。ガソリンを積んだ車が延々と並び、やがてそれらが巨大な燃焼物となって火災が広がっていく。この危険性は最近強く指摘されている。つまり道路が発火帯となりうる | ||
22 |
補助154号線は甲州街道で右折できないではないか、 みな駅広を使わず甲州街道を目指すのではないか。 |
右折については警視庁な |
実現しなければ甲州街道をUターンする車の増加をもたらす事態を引き起こす。 さらに右折の有無にかかわらず、カーナビに環7、菅8の裏道、抜け道として表示されれば、「行ける所まで行って住宅街を抜ける方が渋滞の環7,環8を行くよりまし」という広域通過交通道路となる。 |
23 | 補助216号の説明会は行うの | 適切な時期に行う | 回答しているようで、実際はなにも回答していない無意味な回答である。 |
【住民意思の無視について】 | |||
24 | 住民意思を無視するな。主権在民の憲法に反するのではないか | 直接答えず | 世田谷区が一方的に駅前広場計画を区民に押し付けようとしている。 |
25 | 自分は明大前駅前広場の地権者であるが、地権者の多くは反対している。世田谷区は区民の意見は聞きおくだけで、区の計画をそのまま優先する姿勢はおかしいのではないか | 直接答えず | 聞き置く行政を変えると言った保坂区長の方針に反している |
26 | 住民の声を無視して区の責務で行うと言うが、区の責務とは何か。区とはだれか、個人名を答えろ | 個人名は言わず | 「区」という組織の名による無責任体制 |
27 | 駅広で流れが変わる。上位計画が絶対なのか | 適切に判断した | 柔軟性にかける硬直的な推進方法 |
28 | 千歳烏山の駅前広場計画は素案と今回の案が変わっていない。区民の声をなぜ無視するのか | 適切に判断した | 無内容な回答であり、答えになっていない |
29 | 明大前では前席の住民の方が、参加者に向かって、ここの参加者の中で今回の計画に賛成の人はいますか、と呼び掛けたところゼロ(同じく千歳烏山では2,3名の賛成者のみ)。このように皆反対だ、に会場全体で大きな拍手。 | なぜ世田谷区は住民の声を真摯に聞かないのか | |
【時代の変化の認識について】 | |||
30 | 説明会場体育館にかかげてある松原小学校校歌の3番には 「燃ゆる 一千六百の 雄々しき姿 松原校」とあるが、補助154号線を決定した昭和36年は1600人生徒がいたが、今や600名も生徒がいない。このような人口減少時代になったように、50年前と時代は大きく変わった。今や交通公害、交通事故、地球温暖化の元凶である自動車交通をいかに減らすかという時代に、無反省に道路建設をするのはおかしいではないか | 人口は減っても南北交通の確保のために建設する必要がある | 時代認識の欠如 |
31 | 国土交通省は用地買収が昨今厳しく、地下道路を建設するよう文書が出ているが知っているのか | 知っているが適切に計画している | 空虚な言葉の羅列 |
【千歳烏山駅前広場計画について】 | |||
32 | 回遊性を区は盛んに言うが、そうならば現在の広場あるいはその反対側が良いのではないか | 適切に判断した | 詳細データに基づく説明では無いためとても納得できるものではない |
33 | スライドの駅広隣接青色部分は高層ビルの再開発か | それも含めて今後話し合う | 同上 |
34 | 交通広場を防災に使うと言うが本当か。車が入るので使えないのではないか | 適切に判断した | 同上 |
35 | 駅広の前提は何なのか。連立高架が前提か、216号が前提か。 | 連立を契機に駅広を設ける | 同上 |
36 |
216号の接続で提示案(4案)が有利とのことだが、216号接続にとらわれ過ぎ。 回遊性ならば駅北側の1,2案ではないか |
回遊性を考慮して今回案とした | 同上 |
37 | 千歳烏山駅広の地権者だがいきなり素案説明会で自分の住宅が立ち退き地域となっていることを知った。事前の話が何もない。事後にも挨拶の一つもない。あまりにひどいのではないか |
司会者が「意見ですね」として終わりにしようとするが、区民の異議続出で、区は答えに詰まり最終的に区が議事進行の不備を謝る。 |
質問者の「いきなり立ち退き計画になっていることを知るようなやり方はおかしいのではないか」への説明及び回答になっていない。 |